福島原発、核燃料がどこにあるかも分からず、進まぬ廃炉作業(6/14 毎日新聞)

 政府は、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた工程表を改定した。大幅な改定は2013年6月以来2年ぶりで、1〜3号機の使用済み核燃料プールからの燃料回収を従来より最大で3年程度遅らせる。除染やがれき撤去に伴う放射性物質の飛散防止対策に手間取っているからだ。

 世界でも例を見ない過酷事故を起こした原発の廃炉作業が、いかに困難なものかが、現実のものとして浮き彫りになったといえる。

 廃炉作業の進捗(しんちょく)状況は避難住民の帰還や地域の復興に直結する。政府や東電は情報公開を徹底し、しっかりした根拠を伴った廃炉戦略を立てていくことが求められる。

 改定された工程表では、地域住民や作業員の安全確保を最優先することを原則に掲げた。工程の迅速な実施にこだわった結果、労災事故が相次ぐなどし、かえって作業が遅れる事態を招いていたことを踏まえた。いたずらにスピードを追うよりも、福島第1原発のさまざまなリスクを確実に下げていくことが大切だ。

 新工程表は当面の優先順位が高い課題として、核燃料プールからの燃料回収と汚染水対策を挙げている。

 だが、廃炉作業の最大の難所は、1〜3号機の原子炉格納容器内で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の回収だ。新工程表は、いずれかの号機で21年中に始めることとした。

 しかし、現状では、回収に至る明確な道筋は描かれていない。

 まず、燃料デブリがどこにどのような性状で存在しているのかすらはっきりしていない。

 回収では当初、格納容器を水で満たして放射線を遮る冠水方式が有力視されていた。しかし、容器の損傷箇所を特定して止水することが難しいため、空気中で回収する気中工法も本格的に検討することになった。放射性物質の飛散を防止し、高い放射線環境の下でも稼働可能な取り出し装置の開発が必要となる。

 こうした廃炉作業を支える技術開発は、国の支援を受けたさまざまな研究機関や大学などが取り組んでいる。その司令塔となるのが昨年8月に発足した国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」だ。基礎研究から実用に至るまでの情報を把握し、研究開発を最適化する役割を負う。

 ところが、同機構の技術系スタッフは約35人しかいない。これで司令塔機能が果たせるのか疑問だ。政府は機構の機能強化を図るとしているが、具体化はしていない。廃炉完了まで30〜40年とされる全体の目標も見直しを迫られるのではないか。

 安倍晋三首相は廃炉で「国が前面に立つ」と繰り返してきたが、廃炉技術の研究開発で、支援体制の一層の充実に努めるべきだ。

http://mainichi.jp/opinion/news/20150614k0000m070078000c.html
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2011年3月の原発事故時、放射能プルームで被爆。江戸川区の自宅周辺の放射能を測定。測定した結果、放射能汚染が酷いことが判明。妻子は3月より大分県別府市に移住。私も2012年5月末に東京の民間企業を退職し家族と合流。

 

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