原因不明のカネボウ「白斑」被害者1万9千人、4000人が重傷で治療法なし(7/6 毎日新聞)

 カネボウ化粧品の美白化粧品を使って肌がまだらに白くなる白斑症状が出た問題発覚から、1年がたった。美白ブームの中で約1万9000人が被害に遭い、医薬部外品の審査のあり方や副作用の迅速な把握に大きな教訓を残した。重症者はなお約4000人おり、早期の救済と再発防止策が求められる。



 ◇素早い副作用把握、課題

 「効果が緩やかな美白化粧品で、こんな急速に副作用被害が広がるとは思わなかった」。厚生労働省の幹部は本音を漏らす。

 原因の化粧品はいわゆる薬用化粧品で、薬事法上は弱い効き目で副作用も少ない医薬部外品。病気を治療する医薬品と区別される。

 医薬部外品で、新しい有効成分を含む商品を製造販売するには、国の審査と承認が必要だが、医薬品ほど厳しくなく、多数の副作用報告があるのはまれだ。「茶のしずく石鹸(せっけん)」旧製品で2000人以上がアレルギー症状を起こした報告があるが、原因は医薬部外品の有効成分とは別の小麦由来成分だった。

 今回は同社が新開発した有効成分「ロドデノール」の効能が強すぎて被害が発生した。2011年10月に初めて問い合わせが同社にあり、昨年7月4日の自主回収公表までに39件の情報が寄せられたが、早期の被害把握ができなかった。

 厚労省は再発防止策として被害を迅速に把握する副作用報告や市販後調査のあり方に加え、承認審査の手法や消費者に注意を促す表示の改善策も検討した。

 メーカーの副作用の報告義務は今年4月に強化した。これまで学会などでまとまった被害が公表されてから報告していたが、医療機関や消費者から重篤あるいは治療に30日以上かかる症状の指摘があれば報告するよう改めた。

 従来の市販後調査も変える。問題の商品では、アンケート調査を2年間で約1200例実施したが、被害は確認できなかった。今後は、調査に皮膚科医を参加させることや、対面販売する販売店を活用したきめ細かな情報収集なども検討する。

 承認審査に関しては、従来は臨床試験で肌に塗って赤みなどの発生を確認するテストなどを実施していた。今後は長期間の影響を見るため、1年間の試験も検討する。また今回は重ね塗りによる被害が目立ったため、厚労省は承認審査で用量の増量も考える。

 カネボウも4月に新安全基準を定め、安全性確認の濃度を従来の「10倍」から「可能な限り最大」に改めた。市販前のモニター使用テストの規模も広げ、市販後の顧客へのカウンセリングや相談体制も強化した。

 こうした改善策で再発防止できるのか。消費者被害の情報を収集するのが役割の国民生活センターは問題発覚前、2件しか情報を把握できていなかった。この反省から、開業医などからネット経由で情報を受け付ける仕組みを新設する方針だが、現場の医師らは「情報を分析できなければ、早期の被害防止につながらない」と実効性を危惧する。また今回の被害は新開発の「未知の成分」が引き起こしたが、既存の化粧品と併用した場合の相互作用などを考慮した審査や副作用の把握の在り方も課題になりそうだ。【江口一、桐野耕一】

 ◇重症なお4000人 治療法分からず

 「視線が気になるので、外出が減ってしまった。いつ治るのか……」。問題の化粧品を使って顔や首、手に白斑症状が残る東京都の70代女性はうつむいた。今は夕方暗くなってからマスクをして出かける生活だ。

 症状が出始めたのは、問題の化粧品を使って3年ほどした12年5月ごろから。医療機関も8カ所回ったが原因は分からず、自主回収された昨年7月まで使い続けた。使用をやめて1年たっても症状は改善しない。

 問題発覚後、日本皮膚科学会や厚労省研究班が中心となって原因究明などに取り組む。同研究班の代表者、川西徹・国立医薬品食品衛生研究所長によると「ロドデノールが白斑のような症状を起こしうるのは確か」だと分かった。また、カネボウの研究チームが色素細胞に対する毒性を突き止めたとする論文を発表した。だが、発症する人としない人がいるなど完全にメカニズムは解明されておらず、確立した治療法もない。

 「よしき皮膚科クリニック銀座」(東京都中央区)の吉木伸子院長は「美白などアンチエイジングの化粧品には、シミやしわなど加齢による変化に逆らう効果が求められる。本来、汗や皮脂を外に出す機能を持つ皮膚のバリアー(防壁)を壊して有効成分を浸透させているため、スキンケア化粧品よりもトラブルを起こしやすい」と指摘する。

 一方、カネボウによると、白斑症状が確認されたのは5月末現在で1万8909人。7144人が完治かほぼ回復し、このうち4050人が精神的慰謝料の支払いなどを受け、同社とのやり取りを終えた。改善傾向の被害者も多い一方、約4000人には「治療の長期化が想定される」として、これまで回復時に払ってきた精神的慰謝料などを、先月から払い始めた。

 東京で被害者救済にあたる弁護団の事務局長、中村忠史弁護士によると、精神的慰謝料などは1人あたり一時金で40万〜50万円ほどが提示されているという。中村弁護士は「賠償額は弁護団の算定に比べて少額だ。自分に示された額がどういう基準で出されたのか分からず、算定基準を公にすべきだ」と透明性を求めている。

http://mainichi.jp/shimen/news/20140706ddm003040131000c.html
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