東京電力福島第一原発事故に伴い、野生キノコは県内55市町村で出荷制限が続いている。政府は3年続けて放射性物質検査で基準値以下だった品目に限り制限を解除する方針だが、今秋、1年目の検査をクリアしたのは会津地方の3町村にとどまる。森林除染が実施されない中、関係者は「消費者に安心してもらうため厳格な検査は仕方がないが、何とか改善できないか」と頭を抱える。県は検査要件の見直しを林野庁などに求めている。

■高いハードル

 野生キノコの品目ごとの出荷制限解除に向けた検査手順は【図】の通り。山林に定点を5地点設け、採取した5検体全てで放射性セシウムが食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下だった場合、2年目の検査に進む。2年目は、基準値以下に加え、前年度より低下しなければ3年目に進めない。
 3年目にはこれまでの検査のほか、最終検査がある。林野庁方針では、60地点から60検体を採取し、セシウムが全て基準値以下でなければ出荷制限が解除されない。
 検査機器の精度によって違うが、1検体当たり約200~700グラムが必要。マツタケなどの希少種は60検体の確保が困難とみられる。
 検体の必要量確保の見通しが立たず、今秋、1年目の検査に臨まなかったのは49市町村に上る。

■検体確保できず

 1年目の検査をクリアしたのは西会津町の野生ナメコ、会津美里町の野生ナメコとムキタケ、北塩原村のマツタケだけだ。
 一方、喜多方市はマツタケ、只見町はウラベニホテイシメジとコウタケ、ナラタケの出荷制限解除を目指したが、5地点の採取場所を確保できなかったり、検査に必要な量を集め切れなかったりしたという。会津地方の1自治体はサクラシメジで基準値を超えたため、来秋再挑戦する。
 「マツタケを60検体集めるのはかなり厳しい」。北塩原村で長年マツタケを採取してきた落合義美さん(85)は言う。1検体約700グラムとした場合、マツタケ10本前後は必要だ。天候などに左右されるため、採取場所に何本自生するか分からない。村担当者も「マツタケは全く出ない年もある。60検体を集めるのは非現実的」と指摘している。

■平行線

 県や林業関係団体は、品目によってはセシウムが安定的に基準値を下回っているにもかかわらず、全ての野生キノコの出荷が制限されているのはおかしいとして、政府に対し見直しを求めてきた。要望を受け、政府は今春、安全性が確認された品目から出荷制限を解除する方針を決めた。
 さらに県は、制限解除に向けた検査期間の短縮や検体数の削減を林野庁や厚生労働省に要望している。県林業振興課の担当者は「実態に即した現実的な検査方法に改めるべきだ」としている。
 一方、林野庁の担当者は「(最終検査の)60検体は厳しいと思うが統計的、確率的に信頼を得るために必要」と説明する。政府の方針と県側の要望は平行線をたどる。


■市町村 検査に二の足

 野生キノコの出荷制限解除に向けた最短3年の検査に市町村や林業関係者は二の足を踏む。背景には森林除染を進めない限り、安全性を十分に担保できないとの考えがあるとみられる。

■下がらない数値

 棚倉町にある山本松茸組合は平成23年秋から恒例の「きのこまつり」の中止を余儀なくされている。
 マツタケのモニタリング検査を続けているが、食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)超えが続き、横ばいのままだ。山の手入れは歩道の整備だけにとどまり、出荷制限解除に向けた見通しが立たない。東電からの賠償金などで組合の運営をつないでいるという。
 「森林の除染をしなければ(マツタケの)数値は下がらない」。陣野稔組合長(63)は、早急な森林除染の必要性を訴える。ただ、「広大な山林全体は除染できない」とも話し、途方に暮れた。

■データ蓄積必要

 出荷制限の解除に厳格な手順を踏まざるを得ない背景には、野生キノコの特性にある。林野庁によると、キノコは地面や樹木表面から栄養分のカリウムを取り込むため、カリウムと性質の似た放射性セシウムも一緒に吸収する。キノコの採取場所によって、含まれるセシウム濃度が違うという難点もある。
 福島大の小山良太教授(農業経済学)は「最初から解除ありきでなく、定点の観測は評価できる。ただ、出荷制限を解除した後の基準値超過は許されない」と語る。雨の多い年に野生キノコのセシウム濃度はどうなるかなど、さまざまな条件のデータを蓄積した上で「水産物や農産物の出荷制限解除のように、慎重に進めてほしい」としている。

https://www.minpo.jp/news/detail/2014123020117
 東京電力福島第一原発事故で全町避難の続く楢葉町は早ければ来春に住民帰還を始める目標を掲げたが、実現に向けて課題が山積している。避難の長期化で傷んだ住宅を修繕する作業員が十分確保できず、自宅で生活する環境が整わない可能性が浮上。町は年明けから町政懇談会を開いて住民の考えを聞き、帰町時期を再検討する。

■住宅修繕の人員不足
■作業に入れず
 東日本大震災と原発事故に伴う避難生活は丸4年近くに及び、住民帰還に向けては劣化の進む住宅修繕が最大の課題となっている。
 風雨で屋根や外壁が剥がれたり、室内の柱などをネズミにかじられたりしたケースが目立つという。町は今年6月、3億7000万円の予算を確保し、ネズミ・害虫駆除、家屋内清掃などへの補助制度を設けた。申請が相次いでいるが、復興需要を背景に大工や清掃業者が足りず1カ月から半年先まで作業に入れない例もある。
 住民から「来春に帰町と言われても住宅の修繕が間に合わない」との声も出ている。町は住民と業者を仲介する仕組みづくりを検討しており、復興推進課の猪狩充弘課長は「早急に手を打ちたい」と話している。
 町が町内に建設する計39戸の災害公営住宅も来春までには全戸がそろわない。10戸は平成27年度内、残る29戸は28年度内に完成する予定だ。町は既存の町営住宅の改修も視野に入れており、住民の意向を確認する。町内では道路や水道をはじめに電気、ガスが復旧し、一部のコンビニや飲食店も営業を始めた。JR常磐線は6月に町内の竜田駅まで運転を再開し、町幹部は今月から夜間滞在(自宅宿泊)を開始している。

■先送りの議論も
 住民の帰還時期を探る町政懇談会は来年1月下旬から3月上旬にかけて、仮設住宅や行政区ごとに約30カ所で開く。町は町内の復旧・復興状況を説明した上で、出席者から意見を聞く。
 既に避難指示が解除され住民が自宅に戻り始めた田村市都路町や川内村では、解除に先立ち帰還に向けた準備宿泊(長期宿泊)が数カ月間、実施された。楢葉町は都路や川内と同程度か、それ以上の長期宿泊の期間が必要になるとみている。
 国が決めた避難指示解除の時期までに、町内で住民の生活する環境が整っていないと判断すれば住民帰還を先送りすべきだとの議論もある。松本幸英町長は「議会、町民と帰還に向けた議論を丁寧に進めたい」と話している。

■背景
 東京電力福島第一原発事故に伴い、楢葉町はほぼ全域が避難指示解除準備区域となった。11月末現在の町の総人口は7459人。約8割の5785人は町役場出張所があるいわき市内で暮らしている。松本幸英町長は今年5月、住民帰還の時期について「諸条件がおおむね整うことを前提に、早ければ平成27年春以降」との方針を示した。復興庁などが10月に実施した帰還に関する住民意向調査では、36・1%が「条件が整えば町に戻る」と回答。「今はまだ判断できない」が30・5%、「町には戻らない」が22・9%、「すぐ戻る」が9・6%と続いた。

https://www.minpo.jp/news/detail/2014122920109
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 南相馬市内の152世帯が指定された東京電力福島第1原発事故に伴う国の特定避難勧奨地点が28日午前0時、解除された。福島県内の勧奨地点は全てなくなった。市によると、指定世帯の約7割が現在も避難を続けている。国の決定を「一方的だ」と非難する声も強く、地元ではさらなる環境改善を訴えている。

 勧奨地点はもともと往来の制限が無く、解除時に、バリケードの撤去作業などはなかった。
 国は全世帯が指定基準の年間20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト相当)を下回り、「健康に影響ないレベルになった」(高木陽介経済産業副大臣)として解除に踏み切った。指定時に平均毎時2.4マイクロシーベルトだった線量は、除染で同0.4マイクロシーベルトに下がった。しかし、同1マイクロシーベルトを超える世帯もあり、地域には原発20キロ圏内より線量が高い場所が散見される。
 勧奨地点があった行政区長は、再除染と住民の被ばくを管理する健康手帳の発行などを国に求めてきたが、実現しないまま解除を迎えた。解除に伴い、慰謝料は来年3月で打ち切られる。避難の継続は家計の負担増にもつながる。
 地区30世帯の半数を超える17世帯が指定されていた同市原町区の大谷行政区の場合、指定世帯だけでなく、非指定世帯の避難者もいる。藤原保正区長(66)は「まだ空間線量が高く、特に若い住民の不安が消えない。解除は納得できない」と憤る。
 藤原区長は、国の対応次第では法廷闘争も辞さない構え。住民らと解除差し止めの訴訟についても検討しているという。
 原町区の自宅が勧奨地点になり、子ども3人と新潟市に避難する杉由美子さん(45)は「子どもに不必要な被ばくはさせられないので、慰謝料がなくなっても戻れない。解除で周囲に『戻れるんでしょ』と思われるのがつらい」と話した。

[特定避難勧奨地点] 福島第1原発20キロ圏外の比較的放射線量が高い地域で、世帯ごとに指定。避難区域のような強制避難ではなかったが、国が避難を勧奨したため、避難区域と同様に1人月額10万円の慰謝料の対象。伊達市と福島県川内村の計129世帯は2012年12月に解除された。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141229_63018.html
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 東京電力福島第一原発事故による風評被害で売り上げが落ちた茨城県西部の野菜農家約二百五十人が、東電の損害賠償の継続を求めて来年三月にも、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てることが分かった。農家による集団申し立ては異例。 

 申し立てを準備しているのは、坂東市や境町、八千代町などでキャベツ、レタス、ネギ、白菜などを生産する野菜農家。原発事故後、東電から賠償金を受け取っていたが、「事故から相当期間が経過し、業績が回復した」などの理由で二〇一三年三月分を最後に賠償を打ち切られていた。

 窓口となっている原発被害救済茨城県弁護団によると、今回のADRで求めるのは、打ち切り後の一三年四月~今年六月の一年三カ月分の損害賠償。請求総額は十数億~二十億円規模になる見通しだ。

 茨城県による定期的な検査では一二年以降、県産野菜から放射性セシウムは検出されていない。だが、農家からは「原発事故後に値下がりした地元野菜の価格はまだ戻っていない」といった指摘がある。

 茨城県の農家らに対する東電の損害賠償打ち切りは一三年秋に二十数件が表面化。橋本昌知事は「不利な条件下で事業者は必死に取り組んでいる」と批判したが、東電側は争いがあればADRで和解する意向を示していた。

<裁判外紛争解決手続き(ADR)> 福島第一原発事故の訴訟を起こさず、損害賠償を東京電力に請求する手続きの一つ。国の原子力損害賠償紛争解決センターに申し立て、受理されると、弁護士などの仲介委員が双方の主張を聞いて和解案を提示する。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014122902000119.html
 「原発事故前の生活に戻れるわけではない」。東京電力福島第一原発事故に伴う南相馬市の特定避難勧奨地点が28日に解除されたが、指定世帯で山形県で避難生活を送っている原町区片倉の但野賢士さん(43)は解除後も変わらない現実に苦悩する。
 東日本大震災と原発事故前は自宅で、父、母、妻、長男の5人で暮らし、一家で酪農を営んでいた。
 家族が協力して世話する牛たちの牛乳は自慢だった。牛が「一番草」を食べる5、6月に取れる牛乳は特においしく、有名アイスクリームメーカーに提供するほどだった。
 仕事も軌道に乗り、牛舎を新築して牛を10頭増やそうと計画しようとしていた矢先、原発事故が起きた。但野さんの両親は本宮市に避難した。但野さんは妻、長男と山形県上山市の借り上げ住宅に移り、一家はばらばらになった。約30頭いた牛は全て手放した。
 平成23年5月、牛たちを処分するためのトラックに乗せた。県酪農業協同組合の職員から牛廃用の書類を手渡された時、無念のあまり涙が出た。「父が牛2頭から始めたわが家の酪農が終わってしまった」と感じた。
 「また南相馬で一家で酪農をやりたい気持ちがある」。だが、決断を迷う理由がある。避難先で小学校に入学した長男は4年生になり、新たな友人との学校生活を送っている。南相馬市の自宅に帰れば、生活環境は再び大きく変わる。「帰還という選択が本当に息子のためになるのか」と自問自答する。
 但野さんは4月から福島市の牧場で研修生として働くことを、決めた。帰還の踏ん切りはつかないが、「少しでも酪農に関わっていたい」と話す。「市や国は、住民の健康管理と、震災前のように市民同士が仲良く過ごせる街を取り戻す努力をしてほしい」。空になった自宅の牛舎を見詰めながら強く求めた。

http://www.minpo.jp/news/detail/2014122820096
 東北大の東北メディカル・メガバンク機構は、宮城県内25市町で行った2014年度「地域子ども長期健康調査」の結果をまとめた。過去の調査と同様に、東日本大震災で被災した子どもたちにアトピー性皮膚炎の症状がやや出やすい傾向があると分析した。
 調査は14年6月、小中学生約2万8000人の保護者に学校を通じて用紙を配り、約6500人から有効回答を得た。有効回答率は22.9%。
 アトピー性皮膚炎の症状が出た1360人のうち224人が、何らかの形で津波を体験していた。津波体験のある子どもの発症率は24.5%で、体験のない子どもの1.2倍だった。
 仮設住宅で暮らすなど、居住環境が変わった子どもで症状が出たのは23.1%。発症率は、居住環境が変わらない子どもの1.1倍だった。
 このほか、重い症状がありながら診察も治療も受けていない子どもは気管支ぜんそくで42人、アトピー性皮膚炎で85人いた。機構は保護者の希望に従って14人の電話相談に応じた。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141228_13007.html
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 東京電力福島第一原発事故の損害賠償をめぐり、被災者と東電の和解を仲介する原子力損害賠償紛争解決センターへの裁判外紛争解決手続き(ADR)申立件数が増加している。平成24年から毎年4千件を超え、今年は5千件に迫る。避難区域の住民らによる集団申し立てが相次いでいるためだ。一方、和解に至ったのは申立総件数の66%にとどまり、迅速な被災者救済につながらないケースも目立つ。

 受け付けを開始した平成23年は9月からの4カ月間で521件だったが、福島、会津若松、いわき、南相馬の4市に支所が開設された24年は4542件と一気に増えた。25年は4091件にとどまったが、今年は11月末までに、昨年1年間を734件上回った。
 従来は個人が除染費用や自主避難に要した経費などを求める案件が目立った。最近では避難区域をはじめ比較的放射線量の高い自治体、行政区が精神的賠償の増額などを求める集団申し立てが増えている。
 居住制限区域となった飯舘村蕨平地区の住民による申し立てでは、センターが住民側の主張を全面的に受け入れ、「帰還困難区域と同等に財物賠償すべき」などとする和解案を提示した。こうした事例を受け、他の地域の住民に、被災者側に寄り添った判断が示される-という期待感が広がっているとみられる。
 福島大の教員でつくる「原発賠償ADR研究会」共同代表の高瀬雅男名誉教授(69)は「住民に有利な和解案が提示されていることが、申し立て増加の要因」と分析。原発事故による避難生活は長期化しており、今後も申し立ては増えるとみている。

http://www.minpo.jp/news/detail/2014122720075

「東京は危険」、「東京は放射能汚染されている」と書いて信じてくれる人はどれだけいるだろうか。東京江戸川放射線のメインテーマは東京・首都圏の放射能汚染の実態。御用マスコミの裏に隠された汚染状況、独自調査による画像・動画も掲載。


 

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Author:東京江戸川放射線
2011年3月の原発事故時、放射能プルームで被爆。江戸川区の自宅周辺の放射能を測定。測定した結果、放射能汚染が酷いことが判明。妻子は3月より大分県別府市に移住。私も2012年5月末に東京の民間企業を退職し家族と合流。

 

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